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量子ビーム物性制御・解析技術研究ユニット長挨拶

物質の性質を原子レベルの構造から解き明かすために
放射光を中心とした量子ビーム利用技術の開発

 物質はすべて原子が集まってできています。原子の組み合わせや並び方によって、原子核の周りを取り囲んでいる電子の状態が変わり、この電子の状態で電気が流れるか、光が通るか、磁石につくか、といった性質が決まります。今、皆さんがこのページを読むのに使っているパソコンやディスプレイ、あるいは、テレビや携帯電話などエレクトロニクス製品はこの電子を上手に制御することによって働いています。これらの製品を支える半導体や磁性体、強誘電体や光学素子といった材料の開発には、物質の性質と原子レベルの構造との関係を知ることが大きな助けになります。

 原子や電子の世界、すなわち100万分の1mmよりもっと小さな世界は、私たちの常識では捉えきれない不思議な世界です。そこでは粒子であるはずの電子や中性子が波としての性質を持ち、光やX線のような電磁波が同時に粒子としての性質を持ちます。物質の原子レベルの構造や電子の状態を調べるには、このような量子の性質を理解し、それを使いこなさなければなりません。私たちの研究ユニットでは、量子ビームの一種である非常に強力な放射光X線を用いて、高圧や強磁場といった極限条件下での測定、電気抵抗がゼロとなる超伝導の解明につながる測定、物質の構造の揺らぎを調べるような測定など、ユニークな測定法を開発しています。また、これらの手法を、原子力機構内の連携や施設共用の枠組みを通じて、環境・エネルギー、ナノテクといった広い範囲で、産官学の研究者に活用していただけるよう努力しています。

 物質の性質と構造の間の関係を調べるという最も基礎的な研究で鍛えた手法を、様々な材料開発にいかすべく、たゆまぬ研究開発を続けていきます。

(独)日本原子力研究開発機構
量子ビーム応用研究部門
量子ビーム物性制御・解析技術研究ユニット長
片山 芳則